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INTERVIEW | 2022.05.12

第一回
星とタロットの図案作家
イズモアリタ氏

星とタロットの図案作家 イズモアリタ氏によるタロットカード「ALRESCHA(アルリシア)22」の出版を記念して、東京タロット美術館で特別イベントが開催されています。
創作活動を始めたきっかけやタロットカード制作を通して感じた事など、イズモアリタ氏にインタビューを行いました。

イズモアリタ氏


1.イズモアリタさんご自身について



── 創作活動を始めた時期やきっかけについて教えて下さい

幼い頃から星や神話の世界が大好きで、絵と言葉でノートを作ったりしていました。
思春期にはお洒落目なイラストを山ほど描いて、本格的な創作活動の開始は29歳の頃からですね。
占星術でいう土星回帰!独学デビューです。


── 今までのキャリアはどのようなものだったのでしょうか

初めは父の法律の仕事を手伝っていたのですが、父の死をきっかけに自分探しを始めて…ほぼ毎日スピ修行みたいな時代に突入!
オルタナなカフェを手伝ったり、コアな選曲にこだわった瞑想イベントしたり、タワレコのディスプレイデザインもしてました。

そのうち趣味でデザインしたポストカードがBEAMSとかメジャーな店舗に並び始めて、レストランやセレクトショップ丸ごとアートワークしたりもしました。南青山に事務所を構えて大きな仕事も来るようになって、2001年にテキスタイルブランドを立ち上げました。

そこからはIDEEやCIBONE、コンバースやヤコブセンなどと仕事の機会がありました。
そんなテキスタイルデザイナーとしての展開を経て、世田谷ものづくり学校の校長室アトリエを拠点に、現在も教えている女子美術大学、また、時々名古屋芸術大学や桑沢デザイン研究所でも教えたりしていました。





2.タロットとの関わりについて



── タロットとの出会いについて教えて下さい。

9歳の頃、家にあったライダー版を日がな眺めては、絵の奥の“ファンタージェン”に入っていくみたいな、陰キャでナードでぼっちな夢見る魚座男子でした(笑)

1981年の冬だったかな?ニチユーさんの展示ブースで
ガラスケースの中のヴィスコンティやマルセイユに魂ごと魅了された記憶があります。
その頃からカバラやトランスパーソナルや神智学〜人智学など、探究のマグマが心の奥から込み上げるようになってしまって(笑)


── イズモアリタさんにとってタロットとはどんな存在なのでしょうか

鏡ですね!
深層心理を映し出す動く曼荼羅。あるいはウソ発見機。

心の奥の巧妙なウソや無意識の責任転嫁を鮮やかに写し出してくれるので、そのまた奥に隠れている罪悪感や劣等感みたいな心の傷を治癒しつつ、未来創出の流れを整える。

セッションのときも相手の痛みの元をスプレッドのなかに感じ直してホメオスタシスを促していく。
新しい癒しのセンスを生み育ててくれる相棒です。

「ALRESCHA(アルリシア)22」


3.今回リリースしたタロット
「ALRESCHA(アルリシア)22」について



── どんなタロットか教えて下さい

タロットには古代の叡智の様々な伝承経路がありますが、伝統的なアトリビュートや色の意味とかは一旦おいて、アカシックな記憶からの“風の時代”のポップアップというか・・・
直観的な絵心に委ねながら描き下ろしました。
「カードに魔法の力があるのではなく、貴方の隠れた創造性、感性、言語感覚にカードの方が寄り添って現れる」

「解釈は外のテキストにはなく、固まった正解もなく、未来への導きは貴方の直観的な絵解きのなかに降り立つ!」
そんなインスピレーションを感じながら描きました。


── 「ALRESCHA(アルリシア)22」、印象的なタイトルですが、意味や由来はあるのでしょうか。

上昇する魚と横に泳ぐ魚の“結び目”の意味があり、キリストの受肉を示す占星神話から着想を得ました。
「うちなる聖霊のロゴスと、あらかじめ救済された次元の思い出し。」
22の導きを日常の暮らしに結ぶイメージです。


── 制作にあたって苦労した点はありましたか。

これまでに収集したコレクションを改めて一枚一枚眺めて、大量の書籍やテキストに目を通す作業に3ヶ月くらい費やして、思春期の頃から背伸びして集め読んだ分厚い専門書に埋もれる日々…
そこから閃くままドローイングを重ね構図を整えるのに2ヶ月弱。

魂を逆さ吊りにしてみたり、メンメントモリ(死を想う)に感じ入ったり、
堕ちた大天使や楽園追放からの救済=復活イメージをヒプノ状態で想起したり・・・「タロットを描く」という愚者の旅はダンテの神曲みたいな巡礼体験でした。
描く作業そのものは重いバイブスから解放されて楽しいばかりでしたよ。
終始ワクワクしながらインスピレーションのままに描けました。


── 「ALRESCHA(アルリシア)22」ならではの楽しみ方についてアドバイスをお願いします。

近年のタロットはフワッと軽やかだったり、シンプルなデッキが流行りですよね。
私が描いた絵札は色調も要素も濃いというか(笑)
濃縮還元ドロップみたいな強度で、良くも悪くも深層にリンクしやすいと思います。

その分、旧来の正位置・逆位置やスプレッドの解釈に囚われるより、ポジティブな意訳〜超訳を楽しむセンスで絵解きしていただければと思います。

「いまここ」が創出する「過去〜未来」は常に再編集が可能なので、柔軟な遊び心でシャッフルしていただければと。」






4.「自己との対話」について



── 東京タロット美術館は「自己との対話」をコンセプトとしています。
イズモアリタさん流の「自己との対話」方法はどのようなものでしょうか。


周囲にダメ出ししたくなったときは、自分自身の「ダメ」の投影元を見つめて、ちゃんと丁寧に絶望することにしています。
比較されるのを恐れる劣等感だったり、防衛のための攻撃性だったり、責任転嫁の誘惑もそうですが、いわゆる罪悪感の乱反射ってやつ。
まずは自分を咎めず、赦しの場に差し出すことでキチンと向き合える。
誰かを咎めたくなるような被害者意識から軽やかに解放されるので、天与のギフトが明確になってワクワクの実現化がサクサク広がります。
ニチユーさんからスペシャルなオファーを頂けたように。


5.今後の活動について



── 今思い描いている計画があれば教えて下さい

新しいタロット作家のプロデュースに情熱を注いでみたいです。
深い本質に根ざしながらも表現のセンスが心地良いような、そんな未来の作家さんをプロデュースしていくことにワクワクを感じます。


── イズモアリタさんご自身の活動についてはいかがでしょうか

身体のレンタル期限は瞬く間に過ぎゆくので後悔がないように
『私』という表現媒体を使って「絵や言葉」で伝えていきたいです。
外から伝えるというより、向き合う人の内にもとからある創造的な豊さを
その人自身がよりクリアに思い出せるような表現やセッションを続けたい!

そのツールとしてタロットは最適なんです。
今回とは全くテイストの異なったシュッとした和風とか・・・
そうそう!78枚のデッキにも挑戦してみたいですね。



イズモアリタ×東京タロット美術館
内なる「私」と対話する

<ALRESCHA22出版記念イベント>
サイン会&対面セッション 
2022.5.11 Wed – 5.31 Tue

<ALRESCHA22出版記念トークイベント>
「可変する曼荼羅としてのスプレッド」 
2022.5.26 Thu – 5.28 Sat

詳細はEVENT / EXHIBITIONページをご覧ください


PROFILE
  • イズモアリタ
    未発掘のフォークロア文脈をスケッチする占星・図案作家。
    天体のリズムと創作的想起の関連性を研究している。
    美術大学で造形指導も行う。